2年ぶりの秋葉原訪問記 アキバはコロナ禍でどう変わったか

最近健康のことを考慮して夜更かしを控えているのだが、それでも休日は11時頃まで寝てしまう。睡眠負債は眠気と関係ないらしいが、平日の睡眠時間を7時間確保すべく何とか努力したいところである。

そんな訳で昨日は文化の日だった。晴天に恵まれどこかへ出かけたくなるわけだが、最高気温22度と知り服装をどうすべきか迷った挙句、久しぶりに秋葉原へ出かけることにした。コロナ禍で東京行きはしばらく控えていたが、飲食店への自粛要請も解除され、しかもこの秋晴れなのだから、これ以上の好機はないだろう。善は急げというわけで、リュックサックを背負って14時ごろ出発した。

 

電車の先頭車両に乗り込むと、駅員か運転士かわからないが、バッグを持った鉄道職員が二人乗り込んできた。世間話に興じる二人を横目に最前面からの景色を楽しみつつ、あっさり北千住に到着。北千住からは日比谷線だ。それにしても東京拘置所といい南千住駅前の某史跡といい、まがまがしい施設がやたらと目につく。

都心とはいえ時刻は既に14時半を過ぎ、車内はガラガラだ。秋葉原駅に到着すると、AKB48のあの曲の発車メロディーが流れる。

 

2年振りの秋葉原。10年前までは年に何度も訪れていたが、それ以降は訪れる回数も減り、最近はコロナ禍もあって2年も空いてしまった。

到着早々、まず通行人の速さに気づかされた。速い、速いぞ。埼玉のゆったりした速度に慣れてしまったか、単に私の歩く速度が落ちたのかもしれないが、ボーっとしてるとガンガン抜かされそうになるし通行人ともぶつかりそうになる。春日部近辺は人とぶつかるほど人口密度高くないからね。

 

2年前の秋葉原は観光地と化しており、日曜の歩行者天国の際は路上で写真を撮る外国人と、警備にあたる警官が多数見かけられた。そんな観光客も今は見事に立ち消え、日本人の観光客すら減少している。一方薄汚い服を着た肥満体のオタクや、同人ショップの店内でぶつぶつ独り言を言いながら徘徊するオジサン路上でヘッドホンで音楽を聴きながら歌ってる外国人など、ちょっとヤバイ系の人が結構目についた。一人や二人どころではないのだ。

あとは、やはり空き店舗というか空きビルがちらほらみられる万世橋交差点のゲームセンター、ボークスのビル、カラオケ店、駅前のヤマダ電機…これらは看板も撤去され、もぬけの殻と化していた。駅前の目立つビルがこうなってしまうと、やはり寂しさが漂う。

更にはソフマップが入居していたビルの解体工事が行われていた。単純に老朽化しただけかもしれないが、コロナショックも影響しているのでは、と思ってしまう。後から知ったことだが、ガンダムカフェも近いうちに閉店だとか。

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メイド喫茶の客引きは相変わらずだが、以前と違って積極的な客引きは行われなくなり、路上で手を振る程度しかやらないようだ。やはり感染症対策なんだろうけど、メイド服の女の子が道端で手を振っている様は中々シュールだ。

一方裏通りのパーツ店や東京ラジオデパートをはじめとした旧来からのパーツ店はしたたかに営業を続けており、電気街としての秋葉原はまだまだ健在だ。元々観光客相手の店ではないし、そこまであおりを受けていないのだろう。

アニメイトとらのあならしんばんといった同人ショップも規模を縮小しつつ営業しているが、祝日にしては少し客足が少ないなと感じた。

ちなみにとらのあなブルーピリオドの最新刊と月曜日のたわわ(青版)仕事猫の本を購入した。この仕事猫の本は同人誌だと思って買ったら、まさかの公式だった。同人ショップで労働災害の本が売られるとは…。

AKBの本拠地、ドンキホーテのビルも客足が減っているらしく、1階の屋台も閑古鳥だった。

UDXの方に行くと、飲食店は普通に営業していたが、結婚式の二次会か分からんがやけに騒いでいるスーツ姿の団体がいて、早々に退散した。

その後JR秋葉原駅の中を通っていこうとしたら、アトレで東方フェアが行われていた。久しぶりにうどんげの姿を見れて元気を取り戻す。

既に日は沈み、黄色いネオンサインが激しく点灯する。そう、あれは秋葉原を象徴するビル、ラジオ会館だ。ここはどうなっているのだろうか。買い物するつもりはないが、秋葉原最強の牙城の実態を確かめるべく中に入ってみることにした。

 

中は案外混雑している。閉店に追い込まれた店も見当たらず、どうやらここはあまり観光客の増減による影響を受けていないらしい。確かに、観光客はこんなビルの7階や8階までくることはないだろう。

ドール店で撮影したりフィギュア店を回っているうちに、私の知らない作品が増えていることに気づいた。増え続けるアニメグッズに嫌気がさし、アニメ絶ちをしたのが2019年。その年初めて10年来通い詰めていたコミケをキャンセルしたが、その1年後にコロナ禍が起こり軽く後悔した。ともかく知らない作品・知らない声優の情報に囲まれて、時代の流れの速さをかみしめた。

しかし多くのグッズを見ているうちに、私の中に眠っていた物欲が蘇ってきた。あぁあの子が欲しい…気がつけば五等分の花嫁のグッズを2点買っていた。う~んやってしまった…。

 

やっとのことでラジオ会館を出る。ちょっと見るだけのつもりが、結果的に1時間近く出てこれなかったようだ。

 

時刻は18時半。どこかで飯を食っていってもよかったのだが、電車の接続が良すぎて結局自宅の最寄り駅まで直行してしまう。

電車を降りた後薬局で洗濯用洗剤を買い、スーパーで適当に総菜を買い、およそ20時頃に帰宅。たった6時間の行程だったが、ラジオ会館での時間が濃密すぎたせいで体感的にはもっと長く感じる。

 

上記を総合すると、「昔の殺伐とした秋葉原が戻ってきたな」という印象だ。

私が初めて秋葉原に行ったのは今から二十数年前だが、当時は電気屋と胡散臭い店ばかりで、駅前では変な勧誘が行われ、募金詐欺が横行し、街全体が殺伐としていたことを覚えている。

かつて秋葉原を埋め尽くしていた観光客が消え、一般人向けの店や同人ショップがあおりを受けた一方、昔ながらのパーツ店やマニア向けの店は健在で、結果的に電車男以前の秋葉原に戻りつつあるような状況だ個人的には懐かしく思うが、電気街も通販に押され観光客なしでは経営が難しい店もあるだろうし、感傷に浸っている場合ではないのかもしれない。まあコロナ禍が開けたらまた観光客が押し寄せてくることだろう。

 

そんな訳で、状況を考慮しつつまた近いうちに東京散歩を楽しみたいところだ。