みうらじゅん 「ない仕事」の作り方

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さて、メルカリでみうらじゅん氏の本が売れてしまった。現在半分までしか読めておらず、明日中に読み切る必要があるのだが、平易な文章でサクサク進むからまあ大丈夫だろう。

ない仕事とは、誰からも望まれていない仕事だ。みうらじゅん氏といえば「ゆるキャラ」「マイブーム」だが、この概念は元々存在しなかった。彼の仕事は一言で表すのが難しいが、一番近いのは「プロデューサー」かもしれない。自分が好きなものや興味を持ったものを徹底的に極め、人に紹介してブームを作り出す。例えばゆるキャラの場合は、ユニークなキャラクターの裏ににじみ出る哀愁に惹かれ、日本中の祭りや物産展に足を運んで誰も買わなそうなグッズを大量に買い、出版社に何度も話を持ち掛けて紙面にコーナーを作り、それを広めていった結果、ゆるキャラグランプリというイベントが開かれるまでになった。だが彼はもうイベントには積極的にかかわっておらず、勝手にブームが広まっている状態だという。

この本を読んで感じたのは、誰からも頼まれてないことにどれだけ熱中出来るかが重要だということだ。彼は幼少期怪獣スクラップを作ったそうだが、それはコレクションで熱意が計られてしまう風潮に反発するためだったという。

例えば怪獣フィギュアを1個しか持っていない人と100個持っている人、どちらが怪獣好きかと聞かれたら普通後者だと思うだろう。だが金が無くても好きという感情を表現できる!と示す為に、彼はスクラップを作り始めた。最も彼のスクラップに誰も興味を持たなかったらしく、それ以来スクラップは自分のために作るようになったという。

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その後彼はエロスクラップを作るようになるが、それは今も続いていて、現在何と600冊を超え、このころは1月に4冊という驚異的ペースだったという。誰からも頼まれていないのに。控えめに言ってどうかしてると思うのだが、これこそが「ない仕事」を作り出すために必要なものだ。彼の場合幼少期から好きな事のために常軌を逸した量をこなす習慣がついたことで、どんな企画も成功させられるようになったのだろう。

圧倒的量をこなす重要性は見城徹氏も言われているが、みうらじゅん氏の特徴は、時には嫌いなものまでプロデュースしてしまうことだ。彼は貰いたくないお土産という意味の「いやげ物」という言葉も作り出したが、これも彼自身の経験から企画化したという。まだ読み終えていないが、今でいうセカンドクリエイターの考え方も含まれており、現代でも色あせない内容だと思う。真の意味でクリエイターなんだろうな。

 

話は変わるが、なぜまともなyoutuberが少ないのか?考えていたのだが、よくよく考えたら当然のことだった。

高齢者もyoutubeを見るようになった現在、youtubeの視聴者層はテレビを見る層に酷似している。それもそのはず、テレビを見ていた層がyoutubeにシフトしているのだ。

優秀な人は仕事やプライベートに忙しく、基本は吞気にテレビなど見ている時間はない。逆に言えば、テレビを見る層は暇で優秀でない人が多い…ということになる。youtubeの視聴者も大体当てはまるだろう。youtuberはそれらの人に合わせてコンテンツを作っているから、そういうコンテンツがどうしても増えてしまう。youtuberの中に優秀な人はいるが、youtubeを見る層は違うということだ。これは広告収入モデルの闇かもしれない。まあ私がこれを書くと完全にブーメランなのだが…