仕事納め/素人のAKIRA考察(ネタバレ注意)

今日は仕事納めの日。挨拶に訪れる人が何人かおり、なんだかんだ流刑地での人間関係も構築されてきたな、という感じである。

 

さて、28日まで限定で映画「AKIRA」がyoutubeで公開されており、なんだかんだで見てしまった。名前だけは知ってたし「さんをつけろよデコ助野郎」という名言も知ってはいたが、今までちゃんと見る機会はなく、ストーリーも全く知らなかったのだ。以下、ネタバレを含むのでご注意いただきたい。

 

 

 

1回目は正直独特のセンスと難解なストーリーについていけず、おっぱいしか記憶に残らなかった。ただ、終盤のシーンでは謎の感動がおそってきた。飛ばしながら2週目を視聴して、ようやく解釈がまとまってきた。

 

率直に言うと宗教的な作品だなと感じた。BGMもそうだが、終盤新たな宇宙のようなものが生まれ、そこに引きずり込まれる様は現実世界からの逃避…ある意味「解脱」とも言える。今風に言えば「異世界転生もの」ということになるのかね。テツオは現実世界に失望しており、かつ並外れた才能があった。それゆえアキラに魅入られ、新たな世界に連れていかれたのかな、と思った。役人や科学者が役に立っていないのも現代社会に対する失望と結び付けられる。

このように書くと革新的作品と思えるかもしれないが、「高度な科学文明からの超越」という点では、2001年宇宙の旅と似た系統の作品とも言える。

もう一つのテーマとしては、テツオと金田の友情があげられる。作中は表面上対立しているが、金田はテツオを助けるため最後まで命がけで向き合っており、実は熱い友情が描かれている。それを裏付けるためか、終盤幼少期の回想シーンが挟まれている。私が感動したのはここだ。これは「世界はテツオが思うほど悪くはないよ」というメッセージかもしれない。現実世界の否定と肯定が、一つの作品の中でせめぎ合っているのだ。

ただ、最後の最後については解釈が分かれそうだ。思うにアキラは神や天皇のような絶対的存在で、テツオも多分第二のアキラになるのだろう。そして3人の能力者も。

アキラが過去に何をしたのか明かされていないが、もし創造主みたいなものだとしたら、やはり宗教的作品といえるだろう。BGMのガムラン音楽や読誦のような曲も宗教性を際立たせている。

余談だが、宗教的映画作品といえば「ホーリーマウンテン」だ。AKIRAは海外でカルト的人気を博したが、ホーリーマウンテンもカルト映画の金字塔と言われる超名作だ。世界観も似ているので、AKIRAに興味ある人にはお勧めしたい。

 

そんな訳で1月3日まで短い休暇を迎える。それでもサービス業と比べたら長いんだろうけど、6日程度では帰省と買い物だけで潰れてしまう。それともコミケに行くか…金を使いたくないのでコミケは控えていたが、交流のために行くのもありかもしれない。